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140809夫婦で救急救命士。

シリーズ 救命の輪をつなげ!女性救命士

喜熨斗 千織(きのし ちおり)

川崎市消防局 川崎消防署 消防司令補

出身地: 東京都 

趣 味: スノーボード、神社巡りと御朱印収集

消防士拝命年: 平成17年

救命士合格年: 平成17年


シリーズ構成

冨高 祥子(とみたか しょうこ)
会津若松地方広域市町村圏整備組合消防本部 会津若松消防署


「救命士を目指した理由」

私が初めて救急救命士という存在を知ったのは、高校1年生の時に資格免許について調べていた時、進路情報誌に養成学校が紹介されていたことがきっかけでした。この時は養成学校が遠方だったこともあり、自らの進路として考えるまでに至りませんでしたが、しばらく紆余曲折した後、救急救命士という進路に再度目を向けるようになりました。数ある資格の中でも命に直接携わるものは少なく、何よりもやりがいのある仕事だと思ったことが大きな理由で、現場に駆けつけ、いち早く傷病者に接することで少しでも傷病者の症状や気持ちを軽くすることができるのではないかと考えたからです。

そこで当時、養成課程が新設されて間もない国士舘大学に進学し、スポーツ医科学科の2期生として救急救命士を目指すことになりました。

「いざ救急救命士」

 大学では、もともと関心のあった医学の勉強に没頭し、知識が増えていくにつれて友人と意見を交わす時間も増えるなど、恩師や大切な仲間との大変充実した4年間を過ごすことができましました。(その出会いの中に、夫もいるわけですが・・・)

 そして、平成17年4月に川崎市消防局に入局し、平成18年10月から救急救命士としてのスタートを切り、階級昇任などを経て現在勤務する川崎消防署の川崎救急隊に配置されました。川崎救急隊は、市内で最も出場件数の多い隊で、川崎駅とその周辺繁華街を管轄することから不眠不休を覚悟しなければならず、とにかく「不安」の毎日でした。

さらに、救急隊長に就いてからは、救急活動の管理だけでなく、勉強会の企画や研修会の受講など、さまざまな経験をすることができましたが、常に私の中では「隊長だから」という意識が強かったように思います。

しかし、ある時に先輩隊員から「仲間だから、隊のことはみんなで共有しよう。」と言っていただきました。厳しい状況下だからこそ互いを信頼し合い、隊が一つになることの大切さを教えていただき、それから考え方が変わったように思います。おかげさまで、当時の不安や気負いなどは跡形もなくなり、素晴らしい仲間と共に川崎救急隊として活動できたことに感謝しています。

「夫婦で救急救命士」

夫も同じ大学を卒業して救急救命士となりましたが、大学院へ進学したため、彼は救急隊として現場には出ていません。しかしながら、救急救命士の視点で、救急活動に関する様々な研究を行う傍ら、マラソン救護や大規模施設の救護所などで救急救命士として活動し、社会復帰という成果を挙げている姿は、私に大きな影響をもたらしています。

夫婦の会話も自然と救急に関する話となりますが、夫の情報は最新のもので、自分の勉強不足を自覚することがあります。逆に、現場ではこうしているといった情報を私が提供することで、彼の仕事に少なからず役立っているようです。こんな救急馬鹿夫婦ですが、私が彼から学んだ姿勢があります。それは、疑問に思ったことを流さないことです。特に隊長職についてからは、市内で一番忙しい隊であることに甘んじず、疑問に思ったことを自分で調べて、掘り下げていくようにしました。調べた結果はフィードバックして、救急活動にも繋げるように心がけました。家ではまだまだダメ出しも多いのですが、幸いにも、救急隊員シンポジウムで発表する機会にも恵まれるなど、地道に探求していくことの大切さを知りました。

「見えていなかったこと」

 昨年、妊娠が分かり、現在は産休を頂いているのですが、現場から離れて見えたことが2つあります。一つは、私は救急という仕事が好きで、この仕事が誇りであること。もう一つは、消防署の仲間抜きでは救急活動が成立しないことです。今さらですが、救急隊の出場状況や食事、疲れ具合などへの気遣いに改めて気付き、多くの仲間に支えられて自分の好きな仕事が出来ていたことに、心から感謝しています。

「今、そしてこれから」

産休に入ってからも、家や外出先で救急サイレンを聞くと、「隊の仲間はどうしているだろう。」と考えることもありますが、今は赤ちゃんを無事に産むことに集中し、救急のことは夫との会話くらいにしています。しかし、情報収集のアンテナは常に立てながら将来の自分、将来の救急救命士のビジョンを映し出せるように心がけ、職場に復帰する日を楽しみにしています。


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14.8.9/11:35 AM