2002/02/15(Vol.97)号「腰の痛み(3)」

●麻酔科のお話

皆さんこんにちは。旭川はまた冬になりました。と言ってもしばれがきついだけで、日中は日が差して雪が溶けています。もう2月も15日です。

昨日、以前興部国保病院におられた服部憲尚先生から電話がかかってきました。前号でお伝えした「プレホスピタル・ケア」の掲載のお礼です。筆頭著者の硲智幸さんが服部先生に送ったものでした。

服部先生は現在積丹町美国の積丹町国保病院におられます。医師は2人ですが、もうすぐ院長は定年だそうで、私に応援に来てくれとのこと。土日の当直だけでもいいので、一回下見に来てくださいと。夏になったら行ってみようと思ってます。OPSならぬSPS(Shakotan progressive society)を作ったりして。でも遠いな。月1回当直に行くだけでもものすごく遠い。ビッグマウスに相談してみよう。

そうそう、先週お願いした硲智幸・今井睦への取材はしたのでしょうか。記事にならないともう原稿書かないぞ。

腰痛の話3

高齢者で忘れてはいけないのがガンです。それと、背中の骨の中にバイ菌がつくことです。私が地方の病院に勤務していたときに、50歳の男性が妻の肩にすがりながら外来にやって来ました。腰が痛い、この何日間は眠れないほどだと言います。妻に話を聞くと、半年前に肺の手術をした、悪いものではなかったとのこと。また、腰については肺の先生はただの腰痛症だろうと言われたと話します。痛がり方が尋常ではないので入院の上、背骨の間に細い管を入れて連続して痛み止めを流すことにしました。管は簡単に入り、痛み止めを入れると患者の痛みは半減しましたが、それでもまだ痛いようでした。

午後2時に手術室に電話が入り、その患者の足が動かなくなり、おしっこも出なくなったと報告を受けました。私が慌てて病室に駆けつけてみると、患者の左足は全く動かず、右足も膝を立てられない状態でした。妻を呼んで詳しく話を聞くと、肺の手術はガンであり、その時点で転移していたらしいこと、腰の痛みも骨への転移だろうと肺の先生から聞いていたとのことでした。

腰骨にガンがあると、痛み止めの管を入れたくらいですぐ神経が麻痺することはその時にはすでに知っていました。「やられた!」と悔やみつつ整形外科の先生を呼んで協議し、旭川市内の放射線科に転院させ放射線療法を行うことにしました。

骨に転移するガンとして、肺ガンと乳ガン・前立腺ガンが有名です。この患者の場合、肺ガンを思わせる話を聞いたのに、妻の話をうのみにして転移を考えなかったことが最大のミスでした。妻は夫の手前、本当のことは言えなかったようです。

玉川 進(たまかわ すすむ)

旭川医科大学第一病理学講座


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