膝の痛み

ひざの痛みで悩む方は多くいます。私の外来を訪れる患者の半分は膝が痛い人です。ひざには歩くことにより全体重以上の衝撃がかかります。この重さを支えるためにはがっちりした造りが必要です。逆に、正座できるほど良く曲がるためには簡単な構造でないと曲げられなくなります。この相反する作用を満たすために、膝の中には大きな軟骨(半月板)が入って衝撃を吸収するとともに、膝の中に二つ、膝の両脇に一つずつの靱帯があって膝を変な方向に曲がらせないようにしています。とはいっても膝はかなり無理をしています。全体重がかかるということは、体重の重い人にはそれだけ負担が大きくなりますし、無理矢理曲げられることは関節が常にカンナをかけられていることになります。同じ体重がかかっても足首を痛がる人が少ないのは、あまり曲がらないで済むようながっちりした構造をしているからです。同様に女性に比べて男性は筋肉が発達しており、これが膝を守るよう働くので、膝を痛めるのは女性に多いのです。膝の大敵は肥満です。痩せている人は膝が痛くなっても治療に簡単に反応しますし、痛くなってからもかなりの期間我慢することができます。しかし体重があると痛んだ関節をさらに痛めつけることになります。さらに悪いことに、肥満の人は膝が痛くなるとさらに太ります。これは動く楽しみがなくなって食べることだけが生き甲斐となるからです。よく「水を飲んでも太る」と言う人がいますが、良く聞くといつもテーブルにはいつもつまむ物が置いてあって、煎餅とか漬け物とか常に何か食べていることがほとんどです。この際、自分の食生活を考えてみましょう。

次の敵はきつい運動です。急にゲートボールを始めた、ジョギングを始めた、などがそうです。運動自体は膝には悪くありませんし、膝の周りの筋肉が強くなればそれだけ膝も楽になるのですが、何事もやりすぎはいけないようです。スポーツとしては膝の負担の少ない自転車や水泳が適しています。同様に痛いときの正座もいけません。

(置戸赤十字病院 麻酔科 玉川進)


<メルマガ投稿目次へ戻る

<OPSホームへ戻る