釣り針が刺さった話と鉄屑が目に入った話

みなさんこんにちは。今興部国保病院の事務室で原稿を書いています。昨日興部入りして、すぐ消防署に所用があって行って来ました。町の中心部というのに牛の臭いが強烈でした。職員に聞くと「今頃の季節はいつもそうだ」と。旭川では考えられない事柄に唖然とする私でした。今日は興部で経験した症例をいくつか。

1)釣り針が刺さった話

網を整理していた漁師さんの指に釣り針が刺さり来院。針は小さいものでしたが、釣り針には返しがついているためそのままでは抜けません。どうしたものかと思案していたところへ、看護婦さんがペンチと持針器を持ってきました。

「これで無理矢理引き抜くのか、かなり痛いだろうな」と思っていたら、看護婦さん曰く、「針の根本を切ってそれから針を持針器で持って縫い針よろしく皮膚を貫く」のだそうです。麻酔は一回痛いだけなので要らないとのこと。本人も麻酔は要らないといいます。アドバイス通りやってみたら簡単に抜けました。抗生剤を処方して帰宅させました。

港町ではよくあることだそうです。私は稚内と留萌の市立病院で勤務していたものの、私には初めて経験した処置でした。あそこの漁師さんたちは針を刺さないのでしょうか。

2)目に鉄くずが刺さった話

グラインダーで鉄枠を削っていたところ鉄くずが飛んできて目に入りました。痛くも何ともないのでそれから2時間削り続けて帰宅。夜10時頃から猛烈に目が痛くなったのですが我慢し翌朝来院。右目は真っ赤でようやくあけられる程度。麻酔薬を点眼しみてみると、角膜(目の透明な部分)に鉄くずが刺さっています。

眼科用のピンセットで取りましたが、まだ鉄が残っているようでした。本人には緊急手術が必要かもしれないと話しレントゲン撮影したところ、幸運にももう残っていませんでした。取り出した鉄くずを記念に持たせて帰しました。

この人はちゃんと防爆メガネをしていたのですが、頬とメガネの隙間から鉄くずが飛び込んだそうです。鉄は眼球の中に入ると錆びて網膜を腐らせ失明させるため24時間以内に手術で取り出す必要があります。幸いにもこの患者は眼球内には入ってなかったため1日待っても大事には至りませんでしたが、もし鉄を削るときにはメガネを必ずつけ、もし目に鉄くずが入ったようなら時間を問わずすぐ病院を受診してください。

00/10/21

玉川 進(たまかわ すすむ)

旭川医科大学第一病理学講座


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