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060418必要とされることの喜び

作)ソフトQQ

 この仕事をしていると、住民の方から感謝されり必要とされたりするほどうれしいことはありません。このことは、日頃の仕事の励みのみならず勉強会への積極的参加の原動力になっています。
 その一方、いつも現場活動に納得できなかったり、傷病者やその家族のことを思うと、もっと配慮すべき点があったのでは?って悔やまれ反省をしています。

 ある暑い日の夜、自宅でおばちゃんが腹痛を訴え苦しんでいるという娘さんからの通報で出動しました。
 そのお宅は町外れの農家という事もあり、救急車の到着で、区長さんはじめ心配する周辺の多くの農家の方々が心配そうに集まってきてます。
 私たち救急隊がそのお宅におじゃまするなり娘さんが、「お母さん、消防の◯◯さん(私のこと)が来てくれたよ!もう大丈夫、安心して。」
 「えっ!私?なんで?あれっ空耳だった?」
と思いつつ、私はお腹の痛みのためにお話もままならないおばあちゃんのかわりに娘さんから救急車到着までの腹痛の様子や既往などのお話を伺いました。
 一方、隊長と救急救命士の先輩はおばあちゃんに寄り添い観察処置や病院連絡と淡々とこなしていました。
 近所の方々の協力も得て、おばあちゃんの最も楽な体位で救急車内に収容、地元の医療機関に搬送しました。
 帰署後「なんでお前が来て大丈夫なんだ?安心なんだ?救命士が来たからっていうならまだわかるが・・・」と隊長や先輩に問われましたが、当の本人がもっとも不思議と感じ、一番聞きたかったほどでした。

 その後しばらくして、女性団体を対象とした普通救命講習で、受講者として参加されていた娘さんにお会いすることができました。伺いにくいことと感じつつも思い切って、その時の自分の臨場に対しての言葉の意味が何だったのかを伺いました。
 その娘さんはそれまで消防に対する印象が良くなかったらしく、その原因が過去に救急要請した際の隊員の対応に不満をもっていたというのです。
 具体的には、家族として伝えたい事があるにもかかわらずとても聞いてもらえるような雰囲気でなかったこと、かかりつけでもある隣町の医療機関を希望したが、規則とかで地元の医療機関へ搬送された、とのこと。
そして女性団体の行事予定に入っていた事もあり、その不満をぶつけてみようと思いながら受講した普通救命講習の実技の際、たまたま私のブースで質疑応答のやり取りした時にマニュアル的な回答でなく、馴れ馴れしすぎない親しみのある口調に好感をもち、救命に対する一生懸命な姿勢が好印象で何かグッと伝わってくるものがあったらしいです。
 人の話を親身に聞いてくれる。この人なら万一の時には何とかしてもらえる。と思えるようになったと。
 自分が必要とされてると感じた瞬間でした。
 優れた救急隊員を目指す前に患者さんや
家族に信頼される一(いち)社会人でありたいと思います。
 

 最後に娘さんから言われた言葉が「将来、タクシーのように救急隊員もこちらで選べる時代が来てくれるといいのですね。」
 お気持ちだけは、ありがたく受け取らせていただきます。


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