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070602職人消防士への道

作)ひまわりパパ


JCSの物差し 正義の味方 職人消防士への道 夢なき者


職人消防士への道

 私の署では採用即消防学校入校とはならないため、今春も初々しい新人が訓練に励む元気な声が響いています。たぶん、それぞれ胸に抱える希望は大きなものがあることでしょう。

 私が消防に奉職してまもなく、「救助救急の世界で頑張りたい。」と思っていたことを思い出します。その思いは概ね叶い、救助隊員として全国大会も経験でき、他の消防隊よりも多くの災害を経験し、救急では最近まで長いこと救命士の乗らない隊でありながらも専任で勤めることができました。II課程救急隊員でも好きなことが出来ているのでモチベーションもあがります。

 月刊消防などの消防雑誌などを読んでいると、数ある消防の仕事の中で、その筋のスペシャリストが新たなことで活躍する内容が数多くあり、訪れる流れに乗るばかりの私は単純に「カッコイイ!」と思ってしまいます。賛否両論はありますが、専門分野を深く学んで習っていくと習慣や定石といったことを打ち破って新たな扉を開いてみたくなるという考えになるもの。またそういった考えが組織全体に響く流れを生んだときには、これ以上の快感はないと想像します。日進月歩と言われる消防の進化もこういった人たちの努力の賜物でしょう。まさに職人。

 私が「救助救急の世界で頑張りたい。」そんな思いを描いていたころは救命士制度などというものはなく、「頑張っても認められない」時代が来るなんて思いもしませんでした。社会的にも医療人として活躍する救急救命士を救急のスペシャリストと期待しているでしょうし、実際に組織の中でもそういった関係は拭うことのできないものとして存在します。行える処置内容は雲泥の差。異動で高規格救急車に乗るようになると、いつのまにか救急講習に情熱を傾けたりして隙間の仕事でモチベーションを上げようとするものの、どんどん未来像に霞がかかっていくのでした。

 そんな思いの中、私は更なる人事異動で兼任救急隊員になりました。救急車にも乗りますが、消防車にも乗ります。それでいて小隊長という仕事もします。しばらく離れていた予防査察に頭を抱えています。

 兼任のII課程、標準課程の救急隊員はモチベーションが下がると言う話を耳にしたことがあります。下がるのではなく広く学ばなければならないので浅くなるのだと実感。
「浦島太郎だぁ。」

 そんなある日、ごく日常的なことなのですが消防車に手を振る子供たちの姿を目にしたときに私の目が覚めました。
「あぁ、俺って消防士だったんだ。」
救命士に劣っているなんて考えに陥るなんて、なんと見識の狭かったことか。子供たちに根強い人気の消防士は憧れの的。気力体力に優れた防災戦士なのだ。しかも私は白にも赤にも乗れるオールラウンダー。
 使い勝手のいいオールラウンダーは浅い知識や技術で評価は低いけれど、オールラウンダースペシャリストとして日の目を見る日が訪れるように、「頑張るぞぉ~~」

 スペシャリストとか職人とかいうことに憧れるのは新人の頃と何も変わっていません。働き盛りの中年親父、悩みの種も考えるネタも尽きないのでありました。


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08.8.7/11:54 AM