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080612セミナーを切る 其の二

作)山いるか


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 国際的な心肺蘇生法の基準「ガイドライン2000」がオラが町にも浸透しだしたのは、2002年の冬だった。

 翌年に「ACLSコースイン北海道」というセミナーを受講した。今で言うところのICLSである。

 当時は実技試験と学科試験があったのだが、最初は見学のつもりだったから事前勉強はゼロ。実技はごまかせたが学科はさすがに薬剤の設問がチンプンカンプンで見事に口頭試問だった。

 「そうか!新しいガイドラインを広めるために必要だな!!」単純な僕は、早速いつもお世話になっている総合病院の麻酔科長に連絡をとりACLSを紹介した。ここでも標準化がもたらす効果に期待したのだ。そして、二つ返事で地域開催が決まった。

 ACLSは設定が院内という事もあり、地元の医療従事者間でも一気に広がった。それと同時に救急隊員と病院の関係も急速に構築され、ガイドライン2000がもたらした効果は、単に心肺蘇生法の枠組みを超えたと言っても過言ではない。

 あれから4年ほど過ぎてICLSという名に変わり、コースガイドブックなるものが登場して各セミナーの考え方も統一されコンセンサスも確立された。

 それにしても最近疑問なのが、指導者やスタッフとして参加する救急隊員の多さ。ICLSって院内での急変時に最初の10分間で、いかにチーム医療を展開するかってコースだったはず。確かに当初はセミナー開催のノウハウを外傷セミナーで経験している救急隊員が必要だったのは理解できる。地元医療機関への協力も必要だし、どこでも貴重なマンパワーだ。

 しかし、救急隊員はどこまで介入すべきだろうか?薬剤も除細動も医療機関の臨床現場を多くの救急隊員は知らない。ガイドラインを学び、ICLSというコースをインストラクションする事は可能なのかも知れないが、中心にいる必要はないのではないか。BLSのお手伝いや気道確保器具の説明、除細動の安全確認、その程度で充分だと思うのである。

 そもそもアルゴリズムは例えるなら単なる料理のレシピに過ぎないし、そこにスパイスを加えるのは現場の医師だったりする。それをガイドラインが当然のようにインストラクションする姿は、「回転寿司屋の大将が、老舗の寿司屋にマグロの握りを教えてるようなモノ」だ。

 自分達のフィールドは、あくまで現場「院外」だから、できれば普通救命講習会やAED講習会などに心血を注いで、ICLSはお手伝いという方が地域のためではないだろうか。

 もう一つ問題なのは、指導側のスキルの低さ。BLSがまともにできていない指導者が多い。指導側になる時のハードルの低さが原因だろう。津々浦々、診療所の果てまで広めるためにはやむを得ないのかも知れないが、その場で修正する指導者がいないと結果的に受講者の不利益になる。

 ICLSは医療従事者にとって必須となるような重要なセミナーだから、セミナーのためにセミナーを開催する時期は終わったと思う。急変時に適切な対応ができるように指導者は医師を中心に看護師など医療従事者で充実させて、セミナーを充実させていってほしい。


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