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090509研究論文

作)バッドボーイズ

 ある日、「はたして受講者が十分な心臓マッサージが出来ているんだろうか?」という話になった。「そういえば、心臓マッサージの押す深さって測ったことないよね」「んじゃ、講習会のときに協力してもらって調べてみて、論文にしてみるか」と、酔った勢いも手伝って調査してみることになった。

 救急講習会の受講者に調査を依頼、データ取りが始まった。レサシアンを使い記録紙を出して、受講者1人ずつ1分間100回心臓マッサージをやってもらった。ここまでは順調に事が進んだ。

 が、ここからが凄く大変。まず、記録紙のデータを数値化する作業。1人100回、100人分の心臓マッサージの深さを数字にする。はじめは定規で1つずつ測って表に落としていたが、全然効率が悪く気の遠くなる作業となった。このままじゃいつ終わるかわからない。考えた末、透明なプラスチックの板に線を引き記録紙専用の定規を作ってみてはと思い、早速作ってみた。これが上手くいき、かなり作業効率が上がった。それでも、約1ヶ月かかってしまった。

 せっかくだから雑誌に投稿しようということになり、そのデータを元に文章を書くことに。こういうデータを元にした研究論文を書いたことはなく、中々上手く書けない。当たって砕けろ、データを見て思ったことを文章にしてみた。そいで、いつもお世話になっている指導医の先生に相談、だいぶ形になったので、とある雑誌社に原稿を送ってみた。そしたら査読で原稿が返されてきた。こちらの予想に反して、かなりの量のチェックが入っていた。このチェック項目を変更し原稿を送り返す。数ヶ月後、また査読で返される。前回とは違うとところにチェックが入っていた。また、変更して送り返す。数ヶ月後、また査読でまたまた違うところにチェックが入り返される。えー、また変更かよ。毎回毎回、査読の度に違うところにチェックが入る。それなら最初からチェックしてくれよ。

 この作業を繰り返すこと4回目、さすがに嫌気がさしてきた。指導医の先生もブチ切れ、雑誌の担当者に怒鳴り込み、「これでだめなら、雑誌社を換えます」と凄い勢い。すげー、俺にはこんなこと言えねー。その後、変更した原稿を送った。先生の一言、効果があったようで、査読が無事通り雑誌担当者から原稿掲載決定のメールがあった。「雑誌社が変わったらどうしよう」と内心思っていたので、ほっとした。

 数日後雑誌が届いた。今回は、執筆者の顔写真入り。すげー、俺って有名人じゃん。消防学校の同期から「見たよ」「おめでとう」のメールや電話がたくさんきた。雑誌の威力は半端じゃない。

 今回の雑誌投稿は、データ取りから掲載されるまで約2年かかったこともあり、掲載されたときの喜びも大きかった。受講者、職員、指導医の先生、そして雑誌の担当者の方、多くの協力があって1つの原稿が出来上がった。人の繋がりの大切さを改めて感じた。


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09.5.9/8:47 AM