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091225消防人ゆえ?日本人ゆえ?堅物ゆえ?

作)オポジション


 数年前から医療従事者向けの標準教育コースが全国各地で開催されてきた。当地域も例外ではなく,徐々に定着すらしているように感じられる。縁があって当初からコースの主たる役割を担うインストラクターとして参加させてもらっているが,最近コースに参加し感じることがあるので紹介したい。

 ケース1

 ブース内で熱く指導するインストラクターがいる。現場活動経験を踏まえ,そこで学ぶべきものを簡潔明瞭にインストラクションし,誰しもが羨むインストラクター像である。しかしながら,その姿といえば,穴あきジーンズにサンダル,後ろへ振り向くとズボンが下がりパンツが顔を覗かしているのである。この姿にインストラクションに対する説得力を失ってしまうのは僕だけであろうか。

 普段,街中を歩いている若者の姿を見て,がっかりすることなどない。むしろ自身でもハーフパンツにサンダルでうろうろしているくらいだ。ファッションというものは個性が出て当たり前であり,また個性を否定することはできない。この時代,むしろ否定する方が非難されるであろう。しかし,このブース内で見かけると違和感を持つ。不快感はない。不思議なものである。

 第一印象という言葉がある。僕はこの言葉が嫌いである。人の本質は第一印象のみでは見抜けないと考えるからだ。しかし残念なことに,人の本質を見抜くには時間がかかり,人間関係というものの多くは瞬時に過ぎてしまう。そう考えると,第一印象というものの重要性は目をそらすことができなくなる。相手に何かを説くとき,第一印象の位置づけはどのくらい重要視されるものなのであろうか。僕は嫌いと言いながら,その位置づけを高くしている人間なのかもしれない。

ケース2

 コースの開催を重ねていくと受講する方々も様変わりしていく。人間好きの僕には喜ばしいことであるが,コースとしては悠長なことを言ってもいられないようだ。開催当初の受講生と言えば,好奇心に満ち溢れ,コースの修了が標準教育の終了ではなく,スタートであると説くほどの人間であった。しかしながら,最近では数多くの受講生に紛れ込んでいる真逆人間もいる。ステータス欲しさで資格を取得する(まるでブランド物の購入みたいな)者や会社で定められ取得を余儀なくされている(いわゆる仕方がなく嫌々みたいな)者などなど。これが標準教育コースの求めていることであろうか。

 開催前に筆記試験の解答を教えてほしいとか,修了証だけもらえないのかなどの問い合わせが来るほどである。さらに当日は遅刻して来るなどと,数多くいる一生懸命受講しようとしている者にとっては迷惑なこともある。

 僕としては,このような姿が見えてくると,その標準教育コースも終盤に差しかかっていると感じてしまう。たぶん,その場に居合わせた受講生も,何よりインストラクターが感じているかもしれない。この雰囲気の中,標準教育の重要性など伝わるものだろうか。その時間とお金を別のものに活用した方が日常業務に良い影響を与えてくれるかもしれないと思うのは僕だけであろうか。

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 普段感じていることを整理すると,何ともやるせない気持ちになってしまう。それでも参加するのは,まだまだ勉強したいという向上心を持ち合わせているからであろう。その気持ちを損なわないよう自分自身の姿や標準教育コースのあり方を自己分析していきたい。

 まず,自分は「消防人ゆえ?日本人ゆえ?堅物ゆえ?」からかな。


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09.12.25/4:44 PM