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110226誕生日

作)マイバラード

誕生日

 自分の生まれた日、誕生日を祝ってもらう事は、子供はもちろんのこと、歳を取りたくない大人も、年齢を問わず嬉しいものです。救急現場では必ずと言っていいほど、患者さんの誕生日(生年月日)を確認しているのですが、緊急を要している中その日が患者さんの誕生日であっても「誕生日おめでとうございます」と言うことなど考えたこともありませんでした。

 先日、こんなことがありました。仕事の疲れか?遊び疲れか?原因がよくわかりませんが急に歯茎が腫れ強い痛みが出てきました。まあ、年に数回こんなこともあり今までは数日で回復していたので、病院へも行かずそのままにしていました。しかし今回はいつもと状況が違い、腫れが引くどころか腫れがだんだん大きくなり、痛みも増し、おまけに熱が上がって状況はだんだん悪化していきました。さすがに耐え切れず病院へ行きました。担当の先生に「よく我慢していたね」と言われました。そんなやさしい言葉をかけてもらっても、痛みが続いていたので返事も頷くぐらいしかできませんでした。歯茎の状況を確認するためにレントゲンを撮ることになり助手さんに案内されレントゲン室へ。移動中にその助手さんが「まだ痛みがありますか?さっきカルテを見せてもらったら、実はあなたと私同じ誕生日でした」と声をかけてくれました。その一言が妙に嬉しくて、さっきまで痛みが強かったのがなんとなく和らいだ感じがしました。その後、治療して無事痛みも無くなり治りました。

 このことがあってから数日後、地元の病院で病院実習がありました。自分の勤務する町は小さい町なので、病院を訪れる患者さんも顔見知りの方が結構多いです。そんな中、胃カメラの検査を受ける患者さんがいるので見学することになりました。その患者さんは自分の住んでいる近所の方で顔見知りの方でした。検査を受けるのが初めてで緊張気味、見学させてもらう事を話し承諾を得ましたが、検査の内容を考えると本人としてはあまり見学して欲しくないだろうなと思いました。前処置をして検査が始まるまでの間、カメラのモニターを見ると患者さんの誕生日が表示されていて、検査日の前日でした。だまっているのも悪いかと思い「?△さん、昨日誕生日だったんですね。おめでとうございます。」と声をかけました。すると?△さん「誕生日おめでとうって言われるの何年振りだろう。ありがとう」と緊張がほぐれ笑顔で喜んでくれました。その後、検査も無事終了し、検査室を後にしました。実習が終了して帰宅途中、検査を受けた?△さんに会い「いやー、君が誕生日の話をしてくれたから検査の緊張がほぐれたよ。助かったよ。」と声をかけてくれました。誕生日の話で他の人を助けられるとは思いませんでした。恐るべし誕生日の威力!

 病院でドクターが行っている「言葉での治療(ムンテラ)」が非常に大切なのを実感しました。救急現場で活用できる場面があれば「言葉での治療」を実践してみたいと思います。


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11.9.18/8:18 PM