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151109ドクターヘリ見学会

作)みいたん



 冬の日のある休日の昼下がり、当署横の駐車場をドクターヘリの離着陸場として使用することとなった。普段は公共施設のグラウンドを使用しているのだが、冬期間は積雪や除雪の状況から署の駐車場を使用することも多い。

 この日は70代女性が急に倒れたとの要請で出動、現着時に意識レベルが300でドクターヘリ要請となったものであった。

 署の駐車場は田舎で交通量が少ないとはいえ幹線道路に面しているために、警察官も要請し一緒に交通規制を行うことになっている。規制用のパイロン準備等をしていると、近所の人はドクターヘリの飛来を予想し、「何分頃着くの?」等と聞いてくる。そんな様子を察して、通行人も足を止め、着陸することにはそこそこの野次馬が付近に居る状況となる。

 この日は休日ということもあり、子供たちの姿もチラホラと見える。大きなカメラを持って規制線ギリギリに陣取る大人も居る。「ダウンウォッシュが凄いので下がって下さいね。」等と注意を促すのが大変なほどである。

 遠くからヘリのローター音が聞こえると、子供たちはソワソワし始める。こちらは、着陸の様子を気にするどころか、子供たちが急に近付いてこないかと心配でそれどころではない。

 着陸し、フライトドクターが傷病者と接触した直後にCPAとなり、近医へフライトドクター同乗の下搬送することとなった。そうなると、院内での処置等を考えても数十分はヘリや警戒隊は何もすることがない。

 そんな折、ヘリのパイロットと整備士が周りに居た人達を手招きし始めた。

 こちらは規制線を張っているので、慌てて大丈夫なのか問うと、整備士は医師が戻ってくると連絡が来るまで、せっかくなので皆さんにヘリを見てもらいましょうと言う。年に数回程こんなことがあるんですよとニコニコしている。「間近で見て私達の仕事に興味を持ってもらって、一人でもこの仕事に関わる子供がいてくれたら嬉しいですよね。」と笑顔で言う。温かい言葉にこちらも嬉しさがこみ上げてきた。

 それならばと我々も規制線を一時解除し、子供たちをはじめ周りの人達を近くまで誘導することとなり、即興のヘリ見学会が始まった。子供たちの目はキラキラと輝いて大喜びである。大きなカメラを携えていた人も、凄い勢いで写真を撮っている。時間に余裕があるからと、ヘリに乗せるサービス付である。現場に臨場していた警察官も間近でドクターヘリを見るのは初めてと、こちらも目を輝かせている。

「今すぐ消防においでよ。」と友達を呼ぶ人も居て、医師が戻ってくる頃には、機体の周りはかなりの人だかりとなっており、あまりの人の多さからか、医師も少し照れくさそうな感じでヘリに乗り込んだ。

 再度規制線を張り離陸となったが、傷病者を乗せているわけでないからだろう、パイロットと整備士が皆に手を振り、上空を数度旋回して別れを告げていった。署の周りでヘリを見送った人達は皆満足顔である。

 次回ドクターヘリを要請したら、今回以上に野次馬が集まってしまうのではと余計な心配をしてしまった。


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15.11.9/11:48 AM