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151227携帯カメラ

作)ゆうたん


 一昔前では考えられないが、スマホを始めとした携帯端末のカメラで、容易に写真や動画を撮ることが出来る便利な世の中になった。子供用の携帯ゲーム機にまでカメラ機能が搭載されており、観光地へ行けば大人だけではなく子供まで携帯端末で皆撮影している姿を見ることも珍しくない。カメラを忘れたと、出先で使い捨てカメラを買った記憶がある人は、どんどん少なくなっていくことだろう。ニュース等を見ていると、「視聴者提供」と現場の映像が数多く報道されているが、多くは携帯端末によるものと思う。

 そんな現在、現場へ行くと野次馬の多くが携帯端末を手にしている姿を見かけることが増えてきた。特に火災や大きな交通事故現場等では、たくさんの人がカメラのレンズをこちらへ向けているのが分かる。

 ツイッター等のソーシャルメディアを検索すると、驚く程多くの現場写真等が掲載されている。帰署後に検索して、ついさっきの現場写真が掲載されているのを見つけ、驚くことも増えてきた。

 そこで問題になるのは、やはり傷病者のプライバシー保護だろう。

 現場で撮影して、すぐにネット上にアップするからであろうが、中には傷病者と思われる人の顔が何の処理もされずにはっきり分かるような写真も散見される。投稿者は、たくさんの人の反応を期待して、何の配慮も無く気軽にアップしているのだろうが、ネット上に一度出てしまった写真等は共有されてしまうと削除するのは極めて難しくなってしまう。

 他隊と活動していれば、毛布やブルーシート等を使って、衆人の視線やカメラから傷病者のプライバシーを守ることが出来る。都市部の繁華街やイベント会場等の多数の人が集まっている場所では、大きな本部であればあらかじめ複数の隊を出動させて、プライバシー保護に配慮した活動も出来ているようだが、救急隊単独で活動している場合や、地方の小さな本部ではそこまでの対応は難しい。

 撮影している人に注意を促すにしても、以前であればカメラを手に撮影している人は極めて少なかったので、容易に声掛けをすることが出来たが、今では携帯端末を手にしていない人の方が稀な程である。特に子供にとって緊急車両は興味を惹く素材ということもあるのだろうが、撮影の為に近付いてきて驚くこともある。

救急搬送時、同乗者から「初めて救急車に乗ったので車内を撮影して良いですか。」と尋ねられて面食らったこともある。

さすがにこれは特殊な例であろうが、イベントを楽しむより撮影に夢中、食事に行けばでてきた料理をまずパチリ。現場を撮影しネット上にアップすることに抵抗が無いのも分かるような気もする。

 携帯端末は便利なツールであるが、使い方やモラル等には一定のルール整備も必要かなと感じる。


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15.12.27/11:13 AM