プレホスピタル・ケアNEWS WAVE 各地のニュース 投稿
 
 病院前救護・救急医療勉強会「興部進歩の会 OPS」
 
 旭川医科大学第一病理学講座 興部進歩の会幹事長 玉川 進
 
 



 はじめに
 紋別地区消防組合消防署興部支署では「興部進歩の会 Okoppe Progressive Society, OPS」と名付けた勉強会を開催している(図1)。この勉強会もすでに4回目が終わり定着したと思われるので、ここにOPSの概要を紹介する。



 OPSの発足
 OPSは興部町国民健康保険病院に当直医として筆者が定期的に来町するようになったことに始まる。既知であった興部支署の職員と話し合ううち、支署に会場を借りて有志で勉強会を開くアイデアが浮上した。さっそく支署長である矢野政一に相談したところ快諾を得、ここに有志の勉強会OPSが発足することとなった。 会長には矢野政一支署長が就任し、幹事長には筆者が、幹事には支署の硲智幸が就くことになった。 参加資格は救急医療に携わる者とし、周辺消防に勉強会の参加を広く呼びかけることで、紋別地区全体の救急隊のレベルアップを図ることにした。


 

図1 第3回の参加者



 OPSの目的
 OPSは救急隊員の技術と知識の向上を目的とした会である。興部町は人口5062人、年間の救急出動件数も転院搬送を除けば約70件と僅かである。事例に恵まれていれば自然と身に付く技術や思考の流れも、この事例数では取得が困難である。しかも職員にとって救急は業務の一部分でしかなく、他にもこなすべき仕事が山積している。効率よく技術を吸収すること、一つの事例を掘り下げ考察することで出動していない隊員もが有用な情報を得ること、この二つを考えて勉強会の内容としている。第2回目からは救急に関連する話題を興部町の保健婦・管理栄養士から提供していただいたりガイドライン2000の解説をしたりして、広くて新しい救急情報も提供するように心がけている。



 
 OPS勉強会の項目
 
 第1回(平成13年1月)
 基本手技:バッグマスク
 症例検討:不整脈発作
 
 第2回(平成13年2月)
 基本手技:バッグマスクの復習(図2)
 症例検討:アナフィラキシーショック(含:管理栄養士の解説)
 ガイドライン2000解説:主要変更点

図2 バッグマスクの実習
 
 第3回(平成13年3月)
 基本手技:血圧測定(含:保健婦の解説)(図3)
 症例検討:自殺企図
 ガイドライン2000解説:救命講習

 図3 ショック体位での血圧測定

 
 第4回(平成13年3月)
 基本手技:1.ラリンゲアルマスク(図4)
 2.胸郭外胸部圧迫法(図5)
 症例検討:喘息

 図4 ラリンゲアルマスク挿入の実習
 

 図5 胸郭外胸部圧迫法の実習



 OPSの広がり
 筆者が支署職員とOPSの構想を練っていたときには、参加は5人と予想し小会議室を使う予定であった。ところが第1回目を開催してみると、興部支署はもとより紋別地区消防組合の本署・全ての支署、それに加えて興部町の保健婦・管理栄養士の合計23人が参集し、会場を急遽中会議室に変更せざるを得なくなった。参加人数は回を追うごとに増加し、現在では30人に届こうとしている。参加範囲も広がり、近隣の町はおろか遠くは阿寒湖の消防支署からも毎回駆けつけてくれる。勤務を終え、また有給休暇を取ってまで参加してくれる救急隊員らの熱意に感動するとともに、全員が満足して帰ることのできる勉強会にしていく努力が必要だと感じている。
 OPSからは事例報告を「プレホスピタル・ケア」に投稿している。基本手技については「月刊消防」(東京法令出版)に連載が始まった。OPSは地元の新聞や興部町広報にも掲載され、興部支署の努力は地元にも認知されてきた。私達OPSの次の目標は、OPSを長く開催していくことと、OPSの成果を反映させた救急活動を行うことである。
 

 OPSのご案内
 OPSは不定期に開かれる勉強会である。
 開催予定日時や過去の内容などはOPSホームページをご覧いただきたい。
 http://ops.umin.ac.jp/

<投稿原稿目次に戻る

<OPSホームに戻る