OPSホーム>投稿・報告一覧>AEML:救急メーリングリストの仲間たち〜インターネットを利用した情報交換〜
AEMLデータページから引っ越してきました
HTMLにまとめて下さいました粥川正彦氏に感謝いたします
はじめに
私たちは、このたび北海道内の救急隊員が お互いに情報交換をするための方法として、 Eメールを利用したネットワークであるメー リングリストAEMLを作りましたので紹介 いたします。
さて、私の場合は医療情報をどこから入手 していたのでしょう。自分の活動体験、同僚 や先輩の話、参考書、研修会で医師から受け るアドバイスなど、これらはすべて貴重な情 報でした。しかし、残念ながらいつもいつも アドバイスを与えてくれる医師が近くにいる わけではありません。また、先輩方も特異な 事例ばかり経験してきているわけではありま せん。参考書を読むのにも限界があります。 そのため時には情報源を自分たちの消防署内 だけではなく、外にも目を向けていました。 情報源を外に求める際の方法の一つとしては インターネット(IN)の活用があります。 INには数多くの医療関係のホームページ (HP)があり、医療情報が提供されていま す。また、Eメールを利用して個人の質問に 答えてくれるHPもあります。
私は、地方の友人に相談を持ちかけたり情 報を求めたりするときは、積極的にEメール を利用しています。もっとも、相手がEメー ルを送れる手段を持っていなければいけませ んが、Eメールは手紙と同じように相手の時 間を制約しないという配慮と電話のような手 軽さがあると思っているからです。
また、INでは一通のEメールを同時に多 くの人に送ることが可能です。その仕組みを 利用してIN上に作ったグループの人たちへ 同時にEメールを送信し、お互いに情報交換 することができるメーリングリスト(ML) というものがあります。
MLとは、例えていえば、「大きな黒板の 前に数人のグループが集まっていて誰かが意 見や相談を書き込む。他の人はそれに対して の意見等をまた黒板に書き込む。黒板はグル ープの皆が見ることができるので、すべての 意見交換をグループ内すべての人が知ること ができる」といった感じです。INには非常 に多くのMLがあります。例えば、ラーメン 好きの人たちがラーメンについて語り合うM Lがあり、特定のアイドルを話題にしたML など趣味を同じくする人たちのMLがあり、 職業を同じくする人たちのMLがあります。
当然のように救急医療についてのMLがあ り、救急隊員のMLもあります。それらのM Lでは、いろいろな地域の救急隊員、医師、 看護婦などによって、救急医療について様々 な意見交換、有意義な情報交換が行われてい ます。
私はそれらのMLを知って、MLは救急隊 員間の情報交換の場としてとても良いものだ と思いました。そして、身近な仲間が集まっ て既設のMLとはひと味違う、もっともっと 気軽に自分たちの身の周りの話題などの情報 交換をするためのMLを作ることにしまし た。
MLは、二四時間稼働し続ける専用のコン ピュータがあって、参加者からEメールが届 くと、コンピュータが参加者全員にEメール を送るという仕組みになっています。誰もが 二四時間稼働し続ける専用のコンピュータを 持っているはずはありませんので、通常はM Lサービスを行っている専門業者に依頼する こととなります。専門業者選びについては、 私はMLについては全くの素人ですからパソ コン関係の雑誌に載っている中から名の通っ た大手であることと料金が安いことを条件に 選びました。料金はいろいろありますが、私 たちの場合はML開設手数料が二〇〇〇円、 毎月の料金が五〇〇円。これで参加者を最大 三〇〇人まで登録できるMLのでき上がりで す。
ML開設はサービス業者がやってくれます ので、ほとんど何もせずにMLは開設されま すが、参加者をコンピュータに登録したりす るなどの最低限の知識と技術は必要となりま す。しかしながら、最低限の知識でさえ身に つけるのは苦労があり、運営マニュアルの言 葉一つひとつですら、納得するのに時間がか かります。救急のための情報ネットワーク作 りのはずが、ML運営のための情報収集に取 って代わられてしまいました。それでもパソ コン雑誌を三冊も読めばだいたいのことは理 解できます。私は最低のことを納得する程度 にとどめ、それ以上のことは理解することを あきらめました。
AEMLスタート
このようにして始まった私たちのAEML (Associates of Emergency Mailing List: 救急メーリングリストの仲間たち)は最初、 八名からのスタートでした。三つの消防本部 から救急隊員が七名と日ごろ病院研修で救急 隊員を指導している医師が一名加わりまし た。救急隊員が参加するMLに医師の参加は 非常に重要なことだと思いますが、私たちは ラッキーでした。
AEMLが始まってポツポツとEメールが 送られてきました。開設時は、参加者の自己 紹介などが中心ですが、地域性のあるMLの いいところは、必ず誰か知り合いがいるとい うことです。消防職員になりたてのときに、 北海道消防学校で六か月間寝食を共にした仲 間たちとMLによって同じ話題で意見交換す ることで、その当時の仲間意識がよみがえり、 とてもうれしく思いました。
八名でスタートしたAEMLは、当初旭川 市と留萌市とそれぞれの知人友人間での,ミニ ミニMLの予定でした。既設のMLがあるに もかかわらず、私たちがAEMLを新たに開 設した理由は、身近な仲間どうしで身近な情 報を交換するためのものでした。しかし、身 近なところに参加者を限ると参加者数が少な くなりMLの維持自体が難しくなります。ま た、範囲を広げ参加者を募ると話題は多くな るけれど、知らない人も多くなり警戒や遠慮 が生じたりするのではないかとの話し合いが されました。結局、参加者を北海道内に広げ ることである程度参加者数も期待でき、地域 的な共通の認識も持つことができるだろうと いうことになりました。
さて、北海道内に参加者を募ることを決め た以上はとことん宣伝です。ちょうどいい時 期に北海道救急医学会救急隊員部会が開催さ れたので、会場で宣伝のチラシ配りとなりま した。私にとって救急医学会への参加はまだ まだ緊張する出来事ですし、さらに初めての 演題発表もありました。それに加えての、大 勢の参加者が集まっている会場でのチラシ配 りは胃の痛む思いでした。
しかしながら、チラシ配りの効果はあった ようで、その後多くの参加がありました。当 日会場にいた人に限らず、地元消防本部でチ ラシを見て参加を希望された人もあり、宣伝 効果はあったようです。
INは今後ますます普及し、多くの救急隊 員がINができる環境となることと思いま す。INを通して救急隊員間で多くの情報の やりとりがなされていくことになるでしょ う。例えば、救急医学会で救急隊員が発表し ている論文もINを利用することで会場に行 くことのできなかった多くの救急隊員に紹介 することができます。あるいは、救急隊員が 経験する日常の様々な症例を集約し、データ ベースとして活用することも可能かもしれま せん。INは救急業務において救急隊員の情 報不足を解消し知識の向上を促し、必然的に 救急隊員の質の向上に関わっていくものと考 えられます。
さあ、いつも上司が救急業務に関心がない と嘆いている方。AEMLに参加して救急業 務に積極的な多くの仲間と情報交換をしてみ ませんか。救急隊員のみなさんの参加をお待 ちしています。
AEML(Associates Of Emergency Mailing List: 救急メーリングリストの仲間たち) ホームページ http://aeml.umin.ac.jp をご覧下さい。