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AEMLデータページから引っ越してきました

HTMLにまとめて下さいました粥川正彦氏に感謝いたします


研究論文

バッグマスクにリザーバーは付いているか
〜リザーバー接続の現状調査とチューブをリザーバー としたバッグマスクの性能試験

旭川市南消防署豊岡出張所:著者連絡先:〒078−8234北海道旭川市豊岡4条3−7−1
   斎藤拓哉・川原淳二・桑野正行
旭川厚生病院麻酔料
   玉川進

  はじめに

 傷病者に高濃度酸素を投与するためには、バ ッグマスクにリザーバーを接続することが必要 であることを小野寺ら1)は報告した。しかし、 小野寺ら1)が用いたリザーバーは麻酔用バッ グとTピースを利用したものであり、どこの消 防署にも常備しているものではない。一方、消 防署のなかでは、リザーバーを所有していなか ったり、あってもリザーバーを付けずにバッグ マスクを用いている場合もある。

 筆者の勤務する旭川市南消防署豊岡出張所で はリザーバーとしてチューブを取り付けてあ る。我々は、ホームセンターにある安価なチュ ーブがリザーバーの役割を果たすならば、すべ ての消防署で導入が可能であろうと考えた。そ こで本研究では、1)消防署でバッグマスクに リザーバーを接続し使用している割合を調査す ること、2)チューブをリザーバーとしたバッ グマスクを製作しその効果を確認することを目 的とした。

対象と方法 研究1:電話による聞き取り調査

 北海道内の消防署から無作為に抽出し、電話 での聞き取り調査を行った。調査項目は、リザ ーバーは備わっているか、リザーバーを常に使 っているかの2つである。

研究2:チューブをリサーバーとしたバッグマスクの性能試験

 バッグマスクは旭川厚生病院で使用している Ambu Ruben Resuscitator Model Universal MarkIIを使用した。

 バッグマスクの空気インレットバルブにリザ ーバーチューブ(直径2.3cm)と酸素接続口を 付けた。マスク接続部に流量計、圧力計、酸素 濃度計をつなぎ、1リットルの人工肺(SIEMANS test lung 190)に接続した(図1)。

図1拡大

計測には オメダ社製呼気ガスモニター5250RGMを用い た。換気回数15回/分、1回換気量400ml、酸素 流量5〜15リットル/分で2.5リットル/分ずつ 5段階で酸素流量を増やした。また、リザーバーチューブの長 さはOcmから始め、20cmずつ160cmまで9段階 伸ばした。1分間換気し、1分後の吸入酸素 濃度を記録した。換気はすべて同一者が用手 換気で行った。

結 果 研究1

 33消防署に電話をかけ、すべてから回答を 得た。救急車の配備がないもの4署を除外し た29署中、リザーバーを持っていないものは 4署、持っているが使っていないものは11署 であった(図2)。

図2拡大

研究2

 酸素流量が5リットル/分ではリザーバーチューブ を長くしても吸入酸素濃度は63%以上には上 昇せず、逆にチューブの長さが120cmを超える と吸入酸素濃度は減少した。酸素流量が10〜 15リットル/分では、リザーバーチューブを100cmに すると吸入酸素濃度は90%以上になったが、 それ以上チューブを延長しても吸入酸素濃度の 上昇は6%以下であった(図3)。

図3 拡大

図3拡大

考 察  半数以上の消防署ではリザーバーを使ってい ないことが研究1からわかった。リザーバーの ない消防署は14%あった。リザーバーが付い ていないタイプのバッグマスクは、リザーバー が一般的でなかった過去に購入したか、リザー バーをオプション購入していなかったためと考 えられる。また、購入決定者と使用者のリザー バーバッグに対する認識のずれも原因としてあ るかもしれない。新しくバッグマスクを購入す ればリザーバーは標準で付いてくるものの、壊 れてもいないバッグマスクを買い換えることは 抵抗があろう。これらの消防署にとっては研究 2は参考になると考える。

 リザーバーがあるのに使用していない消防署 は38%もあった。使ってないのは、リザーバ ーがいかに吸入酸素濃度を上昇させうるか知ら ないことが最大の原因と考えられる。また、保 管に邪魔である、現場から病院まで近いためリ ザーバーを付けなくても問題はないと考えてい ることも原因かもしれない。

 我々は、安価な蛇管をリザーバーチューブと する2)ことにより、高濃度酸素投与が可能とな ることを示した。また、直径2.3cmのチューブ は長さが100cm以上になると、吸入酸素濃度の 上昇がわずかしかないことがわかった。今回の 研究での1回換気量は400mlであった。それに 対して直径2.3cm、長さ100cmのチューブの容量 は415mlである。1回換気量よりもチューブの 容量が大きいと高濃度酸素を与えることが可能 であるが、チューブが長過ぎると活動の支障と なるため、リザーバーチューブは1回換気量分 の容量があればよいと考えられる。

 酸素流量が10リットル/分未満では吸入酸素濃度は 80%以下であったことから、高濃度酸素を投 与するためには酸素流量は10リットル/分以上必要で ある。

結論
1 半数以上の消防署ではリザーバーを使って いない。
2 リザーバーチューブは1回換気量分の容量 があれば高濃度酸素を投与できる。
3 リザーバーチューブを付けた場合でも、高 濃度酸素を投与するためには、酸素流量は 10リットル/分以上にする。
【文献】
1)小野寺紀幸,菊地和実,玉川進:バッグ マスクにおける酸素流量と吸入酸素濃度の 関係.プレ・ホスピタル・ケア1997:10 4):41−44.
2)Carden E,Hughes T:An evaluation of manually operated self−infladng resuscitation bags.Anesth Analg 1975;54(1):133− 138.
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06.10.28/5:12 PM