AEMLデータページから引っ越してきました
HTMLにまとめて下さいました粥川正彦氏に感謝いたします
著者連絡先
横川正明:よこかわまさあき
北海道雨竜郡幌加内町字平和:救急救命士
TEL:01653-5-2246 FAX:01653-5-2248
1、はじめに
図1
| 図2
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当町は消防無線の不感地帯も多く通信手段として衛星電話を使用することもあり、峠 などの山間部で衛星電話の通話中に会話が困難になったり、通話が切断することが あった。
今回私たちは、実際に山間部を走行して衛星電話の利点と欠点を調べることにした。
救急車に積載している衛星電話を使用し、心電図伝送に要する時間や場所を移動して
の伝送状態、通話状態等について調査した。調査地点は通話が切断される可能性のあ
る山間部と消防庁舎前とし、救急車から幌加内町国保病院の受信装置へ心電図を伝
送、着信までの時間を計測した。また、同様の条件で携帯電話を使用し、衛星電話と
比較した(図3)。
図4![]() | 図5![]() |
表1 衛星電話で心電図伝送してから受信装置に着信するまでの時間
| 場所 | 地形 | 伝送状態 | 着信状態 | 結果 |
| 江丹別峠幌加内側峠下 | 平地 | 走行中に伝送 | ○ | 55秒 |
| 江丹別峠幌加内側上り口 | 峠上り | 走行中に伝送 | 切断 | |
| 江丹別峠幌加内側中腹 | 峠上り | 走行中に伝送 | ○ | 55秒 |
| 江丹別峠頂上 | 峠上り | 停車中に伝送 | ○ | 55秒 |
| 江丹別峠旭川側頂上付近 | 峠下り | 停車中に伝送し走行 | 切断 | |
| 江丹別峠旭川側峠下 | 平地 | 停車中に伝送 | ○ | 54秒 |
| 江丹別峠旭川側上り口 | 峠上り | 停車中に伝送し走行 | 切断 | |
| 江丹別峠旭川側中腹 | 峠上り | 走行中に伝送 | 切断 | |
| 嵐山三叉路から幌加内方面 | 平地(山間) | 走行中に伝送 | 切断 | |
| 江丹別市街から幌加内方面 | 平地 | 走行中に伝送 | ○ | 69秒 |
| 江丹別峠旭川側峠下から上り口 | 平地〜峠上り | 走行中に伝送 | 着信後切断 | 55秒 |
| 江丹別峠幌加内側頂上から中腹 | 峠下り | 走行中に伝送 | 着信後切断 | 53秒 |
| 消防庁舎前 | 平地 | 停車中に伝送 | ○ | 53秒 |
特定行為指示を受ける場合、衛星電話は携帯電話のエリア外であっても使用できると いう利点があるが、今回の調査結果では、衛星電話切り替えに約10秒、ダイヤル操 作終了から呼出音が鳴るまで8秒、心電図が伝送されるまで約1分を要した。これに 対し携帯電話の場合も心電図伝送されるまで約1分を要した。
通話状態は音声遅延や反響状態などがあり難がある。また、峠や山間部走行中は電波 受信状態が安定せず、心電図波形が途切れたり、通話が切断するという欠点がある。 また、衛星電話は車内でしか使えないため、現場で指示を受けるには現場と車内を往 復する必要があることや、1回線では心電図を伝送しながらの通話ができないため、 伝送後もう1回線を使って電話をかける必要がある。
衛星電話を使用し特定行為指示を受ける場合、携帯電話と比較して余分な時間を要す ることや、状況によってはまったく通話も出来ないこともある。これは、1分1秒を 争う救急現場では大きなハンディキャップとなる。傷病者の救命のためには、医師か らの指示を受けなくても救命士が特定行為を実施できるよう法律の整備の必要があ る。
(2)医師からの指示を受けなくても救命士が特定行為を実施できるよう法律の整備が 必要である。