100327スピーカーエッジの修理

破損したスピーカーエッジ
2010-3-27 sat 10:30
あちこちのホームページを見てもパソコンのような極小のスピーカーを修理する記事がないので掲載することにしました。ホームページにあるのはせいぜい5cmまでです。小さいのはそれらとは別の苦労があるに違いない。きっと誰かの参考になるでしょう。
今回参考にしたのは
本物のセーム革(セーム皮)でスピーカー(KENWOOD LS-11)のエッジを修理
↑このページで間違いあり。「エッジに遊びを作る」としていますが、製造元の春日さんによると「セームをピンと張って太鼓の皮状にする」そうです。私もそうしました
キョンセーム「春日」さんのやりとり
問い合わせ内容
スピーカーエッジの修理のサイトを見ていて御社にたどり着きました。
修理するスピーカーはパソコンのスピーカーで、Apple社製iMac DV埋め込みスピーカー、エッジ部分は外直径2.7cm、内直径2cm、このスピーカーが分解済みで8個、稼働中が8個あります*。小さいため修理は大変かと思いますが、どうしても直したいと思い、セーム革のご相談をさせていただきます。最適なセーム革を送って下さい。どうぞよろしくお願いします。
(*注意:自宅にiMacDV3台(400+400+600MHz)現役、病院にiMacDV600MHz1台現役)
返事(すぐ来ました)
お問い合わせ有難う御座います
PCのスピーカーなんですね・・・
私では解からない為、当社SP部に問い合わせしました
口径が非常に小さいので薄いキョンセームを必要とするようです
またエッジ自体を振動さす力がそんなにないので逆に作業はしやすいそうですフレーム部とコーン紙裏接着面内径で採寸して頂き内外径を出して頂きキョンセームをパッキンなどの上に10本程度の針で少しだけ張り気味に周囲を固定し、コンパスで内寸、外寸を描き、よく切れるハサミでハンドカットしてください
注意・少しだけ小さめに採寸してください(5%程度)
フレームに接着する時小さめを伸ばして張る方がベストです*ボンドはホームセンターなどで「Gクリア」と言う皮革対応の物が適しているようです
(当社SP部が色々なボンドを試し、市版では上記がベストだそうです)
成形したキョンセーム(ドーナッツ型)をフレームに先にボンドで固定し30分程度おき、コーン紙裏エッジ接着部分に貼り付けてください
注意・この時出来るだけキョンセームが張るようにSPが小さいので目打ち等でコーン紙裏に貼り付けたキョンセームの内寸内側端をSPセンターコイル側へボンドが乾くまでに伸ばしてキョンセームを張って下さい
セームエッジは張るのに成功すると本当に繊細な音が再生されます、しかし殆どの皆様が皮エッジの原点を見のがして加工されています、皮エッジの原点はタイコと思ってください、出来るだけ張ってあげると良い音がしますしかし張らないとただ単に再生しているだけでセームエッジの効果は発揮されません
ご注意ください!
必要と思われるキョンセーム15デシ一枚(SPエッジ加工用薄手0,6mm)
価格は3800円
出来るだけ真ん中の厚みの均等な部分でエッジ成形してください上記ご参照の上宜しくご検討下さいませ
ご連絡頂けましたら早々にお送りさせて頂きます
お問い合わせ有難う御座いました
今後とも宜しくお願い致します
上記の参考ホームページでも書いてあったように、この親切な対応には感動しました。セームの値段は4000円近くもする(予想では2000円くらいと思っていた)ためコストパフォーマンスではパソコン用外付けスピーカを買ったほうがずっとお得ですし音も優れています。でも私はiMacDVそのままでジュークボックスにしていますし、この親切さもあって購入しました。
キョンセーム
これはすごい。セームって言うから車についてくるごわごわしたものかと思ったら全く違う。これは高いはずです。
なめらかでうっとりする肌触り。ものすごく薄いのにひっぱりには強い。
バイオリンを拭いている写真があったけど、これならストラディバリでも拭けそう。
この大きさで3800円。スピーカー用に加工してあるそうです。すでに2個修理したので穴が開いています。メールでは中心部を使えって書いてありましたが、もったいないのと穴の開けた部分が薄く均一だったのでそこを使いました。
今回は極小スピーカーでキョンセームも薄いのを選んだので値段が張りましたが、普通は1000円から2000円でスピーカー左右を修理できるみたいです。
もう一枚、タダで付けてくれました。これも買うと800円します。
キョンセームの解説書が入っていました
お手紙入り。ありがたいです。メール1本でこんなに良くしてもらっていいのでしょうか。
ほかに買ったもの
Gクリヤー。200円くらい。速乾性です。これよりもゆっくり固まってくれるものの方がいいのですが、買いに行ったときには時間がなくてどれがゆっくりなのかよく見分けられなかった
シールはがし。
周りのプラスチックケースを破壊したときのためにプラモデル用のパテも買いましたが使わないで済んでいます
今回の修理は2セット目です。
iMacDVで音楽聞いていたら、左だけ音が小さくて、リンゴマーク→システム環境設定→サウンドで左右のバランスを直しても直らなくなりました。1日後には低音に合わせて「ガリ・ガリ」言うようになったためばらしてみたらスピーカーエッジが破れていました。
iMac DVの下に見える二つの丸いのがスピーカーです。ひっくり返して底のプラスチック蓋を開けるとスピーカーがあります。スピーカーは両面テープと爪で取り付けてあります。両面テープをカッターで剥いで真横に力をかけるとスピーカーが取れます
取り出したスピーカー。何でこんなにあるかというと、吉田寿美(歌登)からもらったiMacDVについていたスピーカー、今使っているスピーカー、それにヤフオクで「エッジはしっかりしている」という売りで買ったスピーカー2セット。ヤフオクのスピーカーも取り付けたらすぐエッジが破れました。


↑金属の振動部を外枠に固定している黒いスポンジが「エッジEdge」です。ポリウレタン製で、空気に触れて酸化するため必ずぼろぼろになります。どうしてこんな素材使っているのだろう。パソコン用だけではなく何万円もするスピーカーも10年以上前はポリウレタン製のため、ぼろぼろになって放置されているのが結構あるそうです。
ねじを開けます
マイナスドライバーでこじ開けます。第一号修理器はカッターで開けたのだけど、上下のケースを塞いでいるシリコン板を破いてしまったので、今はドライバーで開けています。
ケースを開けたところ
スピーカーを取り出す
こんな風にウレタンが浮いています
エッジのウレタンを取った。
べとべとしている。
ウレタンは枠と振動部の両方に両面テープで固定されています
テープはがしの液を塗ります
テープはがしのコテであらかたウレタンを取ります
また液を付けて
今度はカッターで両面テープを剥がしていきます。
最後に布で拭き取って
枠がきれいになりました
振動部の下に紙を入れて浮かせます
シールはがしを塗って
コテでウレタンを取った後、
シールはがしをまた塗って
電線を切らないよう慎重にカッターで両面テープを剥がしていきます。シールはがしは4-5回塗っています
この黒い糸みたいのが両面テープです
ここまでがすごく時間かかります。最初は3時間、今回は1時間かかりました
ここからあとは緊張もしないし接着材の待ち時間を除けばさっさと終わります。
厚紙にエッジをかたどった円を描き切り出します。
セームに載せて、色鉛筆で下書きをした後、家の中で一番切れるハサミを用いて切り出します。切れないハサミだとセームは全く切れません。
切り出しました。コツは、中の穴を「こんなに小さくて大丈夫なのか」と思うくらいに小さくすること。キョンセームは驚くほど伸びます。外側は型枠を超えて大きく切り出します。これは後でセームを引っ張るとき耳として力をかけやすくするためです。
振動部を入れます。ちゃんと入ります。セームを両面テープが貼ってあったところより下まで押し下げます
両面テープのあったところに接着材を塗ります。多めに塗っても大丈夫。後で取れます。
両面テープのあった場所にセームが接着するようにセームを引き上げます。
接着材が固まるまでしばらく待ちます。(30分くらい)
次に外枠に接着剤を塗ります。5分くらい待って
引っ張りながらセームを外枠に押しつけて
さらに左右からセームをぐいぐい引っ張ります
360度、回転させつつ思いっきり引っ張ってセームをパンパンに張ります。これが春日さんの言う「コツ」です
引っ張っているうちに接着材が固まるので、さらに床に押しつけて接着を促します。
できた。余分な接着材がついているようならこの時点で爪で引っ張れば取れます。
ケースにもウレタンがついています。こちらはシールはがしで簡単に取れます。
ケースにはめました


↑セームが大きくはみ出てもちゃんと蓋できます。気になるようなら切ればいいでしょう。
完成。エッジは肌色になり、叩くとポンポンと太鼓のように響きます。
実際に取り付けたところ、中音のつやが良くなり、こんな小さいスピーカーでこんな音がするんだ、って驚きました。ただ、軸を合わせるのが難しいため、最初になおしたスピーカでは低音で音が歪む閾値に左右差ができてしまいました。まだ手元に未修理のが4個あるので、うまくいったのと交換しようと思っています。
この800円のは少し厚手ですが、10cmくらいのスピーカーならこれで十分修理可能と思います。今回ほど小さいスピーカーではこのセームでは厚いかも知れない。
インターネットで調べているうちは自分でできるのだろうかと不安でしたが、やってみたら簡単でした。皆さんも試してみて下さい。
