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手技45:救急現活動のコツとポイント

講師:南宗谷消防組合中頓別支署 炭谷貴博

協力:


今回は、救急現活動についてのコツとポイントを解説する。多種・多様な救急現場に対応するために、色々な活動をされていると思います。この項では所属で実施ていることなども含めて解説します。現場活動のヒントにしてください。


実際の救急活動

1.119番・一般加入電話等から通報を受信することから、救急活動が始まる。

受信したときは、

  1. 火災か救急・救助の確認 
  2. 事故発生場所
  3. 事故種別
  4. 傷病者の状況・人数 
  5. 受傷部位と程度 
  6. 傷病者の氏名・年齢・性別 
  7. 通報者の氏名 
  8. 通報している電話器の番号 

等を確認する。

2.覚知内容を把握して、必要ならば口頭指導を行う。

  1. 心肺蘇生法 
  2. 異物除去 
  3. 熱傷の手当 
  4. 切断指の手当 
  5. 止血の手当 

口頭指導のフローチャートを電話の近くに置いておく。

3.覚知の段階で救助隊・消防隊の必要性がある場合に、救急車と同時に救助工作車・消防車を出動させる。出動基準を作成しておくと便利である。

4.現場に到着するまでに、感染防御(ゴーグル、手袋など)、安全装備(ヘルメットなど)、携行資器材等を確認する。

5.現場に到着したら、現場周囲の状況を把握する。

  1. 安全確保はされているか、
  2. 救助隊・消防隊の応援の必要性はないか。
  3. 関係機関(警察など)への連絡の必要性はないか、
  4. 傷病者の人数の把握

を行う。特に安全確保には十分に配慮し、危険を顧みず活動することは間違いである。

6.通報者・関係者等に救急隊であることを伝え、状況を可能な範囲で聴取する。事故発生に至った経過など、全体像を把握する。

7.事故発生場所が建物内の場合、搬送経路を考慮しながら進入する。搬送経路は常識を捨て、安全で活動しやすい経路を考慮する。(例:住宅の場合、玄関ではなくよりベランダを選択する等)

8.傷病者に救急隊であることを伝えながら近づき、傷病者の氏名・年齢・主訴を聞き、これから観察と処置を行うことを伝える。

9.優先度の高い観察項目は、意識(Consciousness)、気道(Airway)、呼吸(Breathing)、循環(Circulaition)で、「見る、聞く、感じる」の五感を駆使して観察し、必要な処置を行う。

10.次に全身状態の観察を行う。基本的に頭から足まで全身を行い、主訴の部位は重点的に観察する。観察用資機材(聴診器、血圧計、パルスオキシメーター、心電計等)を用いた観察を行い、バイタルサインの測定を行う。必要な応急処置を行う。ただし、現場での応急処置は必要最小限とし、むやみに搬送時間を延ばさない。

11.観察・処置終了後傷病者を救急車内に収容する。傷病者をストレッチャーへ移動、車内収容など移動した際に傷病者に負担がかかり病状の変化が起こりやすいので、その都度再評価する。

12.観察した内容を総合して病態を把握し、病院を選定する。現場で得た情報・観察結果・処置内容を、搬送先の病院へ連絡する。病院連絡で伝える項目は

  1. 年齢・性別 
  2. 事故の状況・受傷機転 
  3. 主訴 
  4. 既往歴・かかりつけの病院 
  5. 観察した内容・行った応急処置の内容 
  6. 病院到着の予定時間

13.観察を継続しながら搬送する。容態変化、新たに得た情報などを記録し、病院へ適宜連絡を入れる。

14.病院到着後、傷病者を病院内へ搬送し、必要事項をまとめて医師へ報告する。必要があれば、院内協力する。

15.救急車の清掃・消毒を行う。

16.救急活動記録票を作成する。


スムーズな現場活動のための取り組み


 

1. 実際の現場を想定した訓練を定期的に行い、現場活動の意思統一を行う。傷病者役も行い、傷病者の立場になることも訓練に取り入れる。

訓練後、傷病者役になったときの感想を話す。例えば、バックボードに固定されたとき何処が痛いか、ネックカラー装着の強さはどのくらいが良いか、触診のときの触る強さはどうか、ベルト固定の強さはどのくらいがいいか等、気になったこと全てを話す。(写真(1)・(2)・(3))


 
2.署内で救急出動事例検討会(反省会)を実施し、現場活動の再評価を行う。MCだけではなく、署内での検討会を行い、今後の現場活動に生かす。(写真(4))

 
また、公的ではなく私的に集まって訓練を開催すると、他の署の意見なども聞けるので参考になる。(写真(5))

 
検討会・訓練が終った後に懇親会(飲み会)を行うと、検討会では話にくい話題も気軽に話せる。(写真(6))


 

3.医療関係者を交えての研修会を実施し、「顔の見える関係」の構築。(写真(7)・(8))

 
4.救急車に積載している資機材の動作確認、電池のチェック、メンテナンス、消耗品の補充を行う。

 
5.管轄地域の道路状況を把握する。徒歩・自転車で周るのがポイントで、車に乗っていると気付かないところも見えてくる。(写真(9))

 
6.自己研鑽に努める。新たな情報を得るために、インターネット・メールの活用、研修会・勉強会等に積極的に参加するなど。(写真(10))

 
7.他の地域の消防関係者、医療関係者との繋がりをもち、他の地域の情報を得て参考にする。

 
8.傷病者に対する思いやりが大切である。

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