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工夫

第4回

コミュニケーションの工夫

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執筆者プロフィール

Lecture of this month

増原淳二(ますはらじゅんじ)

板野東部消防組合
 警防課救急係(第1消防署)
平成三年
 消防士拝命
平成十年 救急救命九州研修所
第7期救急救命士養成課程卒業
趣味

 ツーリング


シリーズ構成

泉清一(いずみせいいいち)

大洲地区広域消防事務組合
大洲消防署内子支署小田分駐所勤務
専門員兼救急第一係長兼消防第二係長

昭和五十六年四月一日消防士拝命

平成十六年五月救急救命士合格

気管挿管・薬剤認定救急救命士

趣味:格闘技全般(柔道五段・相撲三段)


工夫

第4回

コミュニケーションの工夫

I.消防本部の概要

図1
徳島県地図

 当消防本部は、徳島県の北東部に位置し、板野郡松茂町、北島町、藍住町の三町により構成され、一本部二署で職員数は六十八名の一部事務組合です。北は鳴門市、西は板野郡板野町、そして南は徳島市と隣接しており、近年急速に宅地化が進み人口も急増、管轄面積約三十八平方キロメートルに六万八千人が生活する人口密集地となっています(図1)。


 管内には水路が多数あり、四国三郎と呼ばれる吉野川、北には途中から分岐した旧吉野川という大きな川に挟まれており、山林が無く平坦な地形です。そのため徳島の空の玄関「徳島阿波おどり空港」や化学工場や大手電機メーカーの工場があり、住宅地と工業地域が混在しています。

 署は三交代制で業務を行っており、救急業務については三隊の救急隊を救急救命士二十二名(運用救急救命士十八名)を含む救急標準課程修了者で運用しています。

II.はじめに

 さて今回のお題は「工夫」ということで、私の業務において「工夫」していることを書かせていただこうといろいろとを考えてみました。みなさんも日々さまざまなことを工夫していると思いますが、私の消防署勤務で工夫したり、考えさせられたことをご紹介したいと思います。
 
写真1
講習会の写真

 みなさんが日常業務で難しいと感じたりすることはどのようなことがありますか?それぞれ感じ方が違うと思いますが、私と同じように「人との関わり」が難しいと感じていたり、また苦手だと思わませんか?来庁者の対応、消防訓練指導や救命講習など制服や活動服を着て一般市民に接することは緊張することだと思います。しかし消防訓練や救命講習(写真1)などはいろいろなアイテムを助けに自らが伝えたいことを市民に伝えることができます。

 一方、我々が活動する災害現場ではどうでしょうか。災害現場で接する人たちは生涯で何度も経験しないはずの緊急事態に遭遇しているわけです。その心理状態を考えると、ついついこちらもそのペースにひきずり込まれる可能性もあります。また、高圧的な態度を取られて十分な現場活動ができなかった経験もあると思います。
 そのような場面こそ傷病者や関係者との接し方と情報収集の仕方などが大切になってきます。

 そこで、どうしたら上手に現場活動に反映できるか考えてみました。


III.コミュニケーションって何?
 
 よく“コミュニケーション"という言葉を耳にします。これは、「社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・文字・身振りなどを媒介として行われる」と辞書にあります。まさに「伝達」することが重要になってきます。しかし、その「伝達」が難しいと感じる人は少なくないでしょう。

 人間は感情の動物ですから、当然のことながら感情も伝達してしまいます。時にはこの感情が現場活動にも影響を与えることがあります。うまく話したつもりでも相手には理解されなかったり、現場での行動が不快感を与えたりという経験は皆さんにもあるかも知れません。また会話だけでなく活動中の態度においても十分配慮しないと不快な気分にさせてしまうこともあります。だからといって沈黙を保って傷病者を搬送するわけにはいきませんので、十分注意しなければいけません。

 そんなことからコミュニケーションのとり方が我々の現場活動にどのように影響しているか、考えてみましょう。

IV.現場活動でのコミュニケーション

1.一一九番通報時において
 
写真2
緊急通報

 現場活動の第一歩は“一一九番通報"からはじまります。みなさんも通信勤務の経験があると思いますが、通報してくる人や通報内容もさまざまです。冷静に話す人がいれば、慌ててしまって何を伝えたいのかがよくわからない人も居ます。それもそのはず、通報してくる人のほとんどは緊急事態に遭遇しているのです。それも一生のうちに何回経験するかわからない“一一九番通報"をしている(写真2)のですから無理もありません。しかし、我々はプロですので上手に情報を得ないといけません。

 しかし、実際の通報にはいろいろなものがあります。普段遭遇するようなことを考えてみましょう。
 
1)慌てている通報者からの通報では・・・

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応援要請をする

 落ち着かせようと思ってもなかなか思うようにいかないことが多いと思います。その理由は、相手の顔が見えないからです。通報者は緊急事態に遭遇しているのですから、電話の相手のことなんて考えている余裕はありません。そうなれば受けている通信員が冷静でいなければいけないということになります。間違っても、相手の雰囲気にのまれてしまっては共倒れしてしまう可能性があるので気をつけないといけません。

写真3
指令台勤務の通信員

 相手の状況を想像しながら、また心理状態を考えながらうまく情報を引き出すことが求められます(写真3)が、これがまた非常に難しいのです。通信員のプロ魂が発揮される場面でもあります。

 では、どのようにすればよいでしょうか。応援要請をするのです。通信員が周りに複数いればいっしょになって聞いてもらい、助言や交代をしてもらうことがいいでしょう。通信員もが焦ってしまうと、伝わるものも伝わらなくなってしまいます。

 2)通報者が突然怒り出したら・・・
 
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・交代する
・救急隊に伝える

 通報者を怒らせてしまうことは非常にマズイことです。これこそが「伝わるものが伝わらない」事態をまねきます。ここでちょっと考えてみましょう。そのような通報者は通報当初から怒っている人は少ないと思います。通信員が必要な情報を得ようとして聞いていと突然“キレる"ことがありませんか?よく考えてみると、何度か同じ事を聞いていたり、そうでなかったとしても通報者は自分の伝えたいことを一方的に伝えて「通報したつもり」になっていることが考えられます。

 一度そのような険悪な空気になるとなかなか改善しません。さらに通信員の精神状態にも大きく影響しますので、他の通信員に交代してもらうことも必要でしょう。また最低限の必要な情報を得ていたらキレのよい言葉を使って緊急通報回線を切断するのもよいでしょう。

 ここで大切なことは、通報者が怒っていることを出場する救急隊に伝えておく必要があります。当然のことながら通報者の怒りの矛先は確実に救急隊に向けられます。そのようなときは、指令室から「緊急支援情報」を救急隊に出してあげましょう。私の経験では、消防無線では流せないのか出場と同時に携帯電話に連絡がありました。

 この情報は救急隊の現場状況評価に大きく役立ちます。通信員のみなさん、ありがとうございます。

2.救急現場において
 
写真4
事故現場

 救急現場(写真4)に到着したら真っ先に何を考えますか?出場途上に補足情報が指令室から伝えられたりして現場状況などを想像しながら準備をしています。ですから現場に到着すると現場状況を確認するはずです。
 

1)関係者への対応

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警察官を同席させる

 ここで登場するのが関係者です。傷病者の家族や知人、また事故の関係者かもしれませんし、単なる通行人かもしれません。現場ではこの関係者から情報を得ることも重要となってきます。

写真5
必要以上に話しかける関係者

 交通事故の現場で必要以上に話しかけてくれる関係者(写真5)を経験したことはありませんか?ついつい、わずらわしく思ったりして気が付くと適当に聞いていたりしたことはないでしょうか。現場では、いろいろな情報を早く得たいと思うのが普通だと思います。でもそこで焦ってはいけません。なぜなら、わずらわしいと感じている気持ちが態度に出てしまうからです。そんなときは、現場にいる警察官といっしょに情報収集することで救急隊としての必要な情報を得られれば、あとは警察官にお任せすることができます。また逆に答えてくれない関係者もいます。そんな場合も警察官を同席してもらいいっしょに情報収集しています。警察官は救急隊以上にしつこく情報を得ようとしますから。
 
2)他職種の人たちとの共同作業

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警察官から聞く
 
写真6
事故現場の写真

 交通事故の現場(写真6)に警察官の登場は必至です。みなさんは警察官との関係は良好ですか?現場では他職種の人たちと共に活動することが多くあります。そのような人たちとの関係も重要です。警察官はある程度の人数で現場にやってくるので役割分担をしっかりして現場活動していますよね。当然傷病者の人定を確認に救急車に乗り込んでくることもあるでしょう。傷病者の情報を得るとすぐさま救急車から降りていく警察官もいると思います。そんな態度に怒りを持つ方はいませんか?私の経験でも何度かそのような話を聞いたことがあります。


写真7
警察官との情報交換

 前述のとおり、警察官とは現場で共同作業することがよくあります。ですから良好な関係でいたいものです。となれば、現場で積極的に声をかけることです。当然のことながら救急隊としても必要な情報を得たいと思います。そんなときこそ、しっかり警察官から聞くことです。言い換えれば、こちらも情報提供するから、そちらの情報も教えてくださいな!って感じです(写真7)。一方的に情報を聞かれて、嫌な思いをしている方もいるかもしれませんが、そんなときこそ警察官に積極的に話かけて情報を得ようとしてみてはいかがでしょうか。救急隊はこのような情報を欲しがっているということを知ってもらうことで情報収集ができることにもなります。

3)気をつけよう、関係者への態度

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正面から接する
 
 傷病者の観察に集中して関係者に背を向けていると関係者からは救急隊がどのように見えるでしょうか?そのような立場にあればきっと疎外感を感じてしまうでしょう。関係者をこちらの“味方"にすることは傷病者との距離を縮めることにもなります。救急隊は3名以上で活動しているので、誰かが関係者とコミュニケーションを取ることができるはずです。傷病者だけでなく、関係者にも正面から接する姿勢が必要でしょう。

4)救急車に同乗する関係者から聞く

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関係者に傷病者情報を書いてもらう
 
写真8
関係者からの情報収集

 関係者からは傷病者から聞けない情報が得られることがあります。ですから大切な情報源です。名前や住所の漢字などを具合の悪い傷病者からしつこく聞くことはできません。私の場合は、救急車に関係者が同乗する場合は、傷病者情報を記載する用紙(救急搬送確認書の写し)を手渡してわかるところを記入してもらっています(写真8)。これにより、救急隊がどのような情報を得ようとしているか、どのようなことを病院へ連絡しようとしているか関係者にも理解してもらえます。ただの「付き添い」ではなく、傷病者のためになることをしているという気持ちになってもらいます。

5)傷病者は何を望んでいるか

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話しかける

 みなさんは傷病者に「どのようにしてほしいか」って聞いていますか?そのようなことを聞くと傷病者の怒りを買うことになるかもしれませんよね。「具合が悪いんだから早く病院へ運んでくれ!」って言われるのが関の山でしょう。

写真9
傷病者の心の訴えを聞こう

 しかし、本当は傷病者の心の訴えを聞くことも非常に大切であると私は考えています。苦痛から開放されたいというのが大半だろうと思いますが、中には寂しさから開放されたいという傷病者がいることも事実です(写真9)。それを見分けるのは難儀しますが、上手に話しかけてあげることで聞き出すこともできます。私が現場で傷病者から聞いている項目を列挙します。
 ・氏名、生年月日
 ・主訴
 ・現病歴
 ・既往歴、通院歴
 ・生活状況、近況
 この生活状況と近況は、現病歴を聴取した後に聞き出すことができます。中には話したがらない傷病者もいますが、そこは無理には聞いていません。怒らせても困りますからね。

 当然のことながら、このとき隊員たちは傷病者の観察やモニタリングをしていますし、関係者が同乗していることもありますのでプライバシー保護には十分注意することは言うまでもありません。

写真10
傷病者の車内対応

 こちらが心を開くことで、傷病者も心を開いてくれることがあります。接触している時間は短時間ですが、心のこもった接し方を心がけています(写真10)。そのような傷病者に接したときは、みなさんもがんばってください。


6)傷病者が若い女性だったら・・・
 
工夫
女性隊員を活用する

 自分が女性だったと仮定して、救急車を呼んだときのことを考えたことはありますか?それは我々が女性の傷病者に対して実施している活動です。知らない男性にとりかこまれて、いろいろと聞かれたり見られたり・・・。聞こえが悪いと感じる方もいるかと思いますが、実際に女性はそのように感じています。そんなとき、女性の隊員が居てくれたと思うのは私だけではないはずです。我々男性では得られない情報も得ることができるでしょう。

 また、我々救急隊には話さないけど、病院に収容し医者の顔を見ると驚くほど話しだす傷病者がいますよね。そんなとき、無念な気持ちになりませんか、みなさん。救急隊は、ただの運び屋なんだろうかって・・・

3.病院スタッフとの関わり
 
1)病院連絡

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馴染みのない病院へは通信司令室から連絡する

 みなさんの消防本部では病院連絡はどのようは方法で行っていますか。携帯電話や消防無線などが主流だろうと思います。当消防本部では、救急隊が直接病院へ電話をかけています。しかし例外も当然あります。普段搬送することがないような医療機関に連絡するときなどは通信指令室から医療機関に連絡してもらっています。その後から救急隊から連絡するようにしています。

2)現場の空気を伝えよう
 
写真11
救急車内からの連絡風景

 救急隊としては、早く病院選定して現場を出発したいと考えます。しかし、収容先が決定しなければそうもいきません。いろいろな事情で収容先が決まらないことがあります。数件連絡しても収容先が決まらなければ焦りが先に立ってしまって必要な情報が伝えられないこともあります。よく「毅然とした態度で」って言われると思いますが、そうもいかないことも多々あります。そんなときこそ、しっかりと「現場の空気」を伝えましょう(写真11)。淡々と話のではなく、感情を込めることも時には必要です(怒鳴ったりするという意味ではありません)。病院前外傷救護教育プログラムや病院前脳卒中教育プログラムなどでスタンダードとして用いられている病院連絡の項目を幹としてに地域に密着した内容を伝達することが重要でしょう。それに併せて「現場の空気」を伝えるように私はしています(正確には「努力しています」)。

 
3)収容後の引き継ぎ
 
 病院到着して、医師や看護師の出迎えてくれる姿を見たとき「救われた」ような気分になるときはありませんか?傷病者のことを考えたとき、また正直なことをいうと自分たちのことを考えたとき、病院に収容するとホッとします。

 しかし、まだまだ大切な仕事が残っています。「引き継ぎ」です。
 
4)何を伝える、何を伝えてほしい
 
工夫
病院側で何の情報が欲しいか尋ねる

 処置室に傷病者を収容したら院内スタッフに傷病者情報や救急隊の活動内容を伝えなければなりません。そこで問題になるのが情報内容です。救急隊は現場で一生懸命に情報収集します。傷病者にとって有利な情報を探っているのは当然のこと、病院のスタッフに怒られないようにするというのも正直なところです。

 となれば、病院側はどのような情報が欲しいのかを考えて、そのニーズに応えれるようにすることも重要だと思います。先に列挙した内容以外に次のような内容をよく聞かれるので、それを伝えています。
 
・家族や関係者への連絡状況
 (ひとりの搬送ならなおさら・・・)
・同乗者との関係
・現場の状況
  (家からの搬送なら生活状態など)
 ・歩行の可否
 
 表向きには、救急搬送確認書に記載するような内容でよいのですが、このように看護師など病院スタッフが欲しい情報を聞き出して伝えることも、よい関係を築く方法のひとつであることは確かです。病院実習などでお世話になったスタッフから聞き出すと本音で答えてくれるかもしれませんよ。救急隊とは違う視点ですからね、それも勉強になります。がんばってみてください。

5)本当に聞いてくれているの?

工夫
搬送確認書を活用

写真12
病院到着後の情報伝達

 看護師などに現場の状況などを報告していると、「本当に聞いてくれているの?」って思ったことはありませんか(写真12)。きちんと申し送りができないと救急隊は怒られるのに、搬入した傷病者の周りに群がってこちらの言ってることに耳を傾けていないようなことがたまに見受けられます。正直、気分が悪いものです。

写真13
救急搬送確認書

しかし、そこで怒ってはいけません。そんなときこそ、救急搬送確認書(写真13)を十分に活用しましょう。必要な事柄は当然書き込み、確認書に書けない内容のもの(知り得た個人情報など)は、メモ書きしていっしょに置いておくようにします。

 ちょっとした気配りでも十分コミュニケーションは取れます。こちらの言い分だけを言っている救急隊を見たりしますが、見苦しいだけです。当然のごとく病院スタッフの信用はがた落ちです。一生懸命観察して情報を得たのに、聞こうとしない態度に正直腹も立ちますが、すべてがそんなことではありません。病院スタッフに助けられることもあるので、こちらも大人の対応でいきましょう。

4.隊員間のコミュニケーション
 
写真14
帰署途上の車内

 帰署途上の救急車内は、隊員間のコミュニケーションを図る場として最適だと考えています(写真14)。搬送症例について話し合ったり、時には医療機関の話だったりと帰署までの時間を有効に使っています。当然、仕事以外の話だってしています。現場活動中は緊張の連続です。帰署途上の車内は、しばし休息の場でもあります。そんなときこそ隊員間のコミュニケーションを図るのに最適だと思っています。それを教えてくれたのは先輩達でした。その教えを後輩達に受け継いでいくことも大切なことでしょう。真夜中の帰署途上、無口になってしまっては寂しいものです。そんなときは、ラジオから流れる音楽を聴いたりすると、車内の空気も知らず知らずと癒されていきます。

 1)本音を聞こう
 
工夫
先輩から声をかける

 専任隊なら勤務時間の多くをいっしょにすごすことがあるかもしれませんが、兼任隊はその日によって編成が変わることがあります。

 先輩と後輩、上司と部下の関係でなかなか本音で話せる機会は少ないと思います。しかし大切なことは、お互いの気持ちがある程度わかりあえていることだろうと思います。個人差はありますが、年代によって微妙に考え方も違います。だからといってあきらめてはいけません。いっしょに仕事していく以上しっかりと考えていくのも先輩上司の仕事です。

写真15
待機中の後輩との会話

 みなさんは後輩の話に耳を傾けていますか?本音を聞こうとしていますか?正直なところ、なかなか先輩上司に本音を語るのは難しいと思います。しかし、先輩から声をかけたりすると案外話しやすくなるものです(写真15)。部下の仕事ぶりを見るというよりも後輩たちの方が先輩ちの仕事ぶりを見ているというのが正直なところでしょうか。後輩たちをひきつけて、本音を聞こうとする姿勢をみせてください。そうすることで、若い後輩たちの信頼を得られて、円滑な現場活動ができることでしょう。

 2)ときには厳しく、ときにはやさしく

 「飴とムチ」と言いますが、そういう意味で書いているのではありません。人に接する自分の態度のことです。社会人としてまた仕事のプロとして、自分に対して厳しくもあり、また優しくもなければいけません。言葉ではなく、仕事の態度です。みなさんが職場に入ってきたときのことを思い出してください。先輩たちはどのように見えたでしょうか。どのような先輩に教えてもらい仕事を覚えたのでしょうか。それは後輩たちも同じだと思います。勉強会に誘うのもよし、いっしょに酒を飲むのもよし、いっしょに釣りにいくのもよし。社会人として後輩たちに背中を見せてやろうではありませんか。先輩上司のみなさん、頑張りましょう!

V.おわりに

 私が日常業務で感じたり考えさせられたことを基に「工夫」していることを思ったままに書き記してみました。みなさんも同じようなことを考えたり、また実行されていることだろうと思います。

 コミュニケーションについては、教科書が世にあります。しかし、教科書には書いていないような、あくまでも私見に基づき書かせて頂きました。「現場で傷病者や家族に怒られ、運んで行った病院では医者や看護師に『なんで運んで来たん?』と怒られ、帰署したら上司に『もっと早く帰ってこい!』と怒られ。それが救急隊・・・」そう僕に教えてくれた先輩は本当に苦労されたことだと思います。

 「救急は、地場産業」だと言われます。同じような気持ちの人々のためにも、組織や社会に認知される救急隊となること期待して書き終えることとします。


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11.1.16/2:07 PM