OPSホーム>基本手技目次>120603初学者のための車両救助法(2)安全管理

初学者のための車両救助法

第2回

安全管理

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講師

後列左から:田中健治(たなかけんじ)・浦辺隆啓(うらべたかひろ)原太志(はらたいし)越前洋介(こしまえようすけ)

前列左から:加藤洲和也(かとすかずや)・佐藤純二(さとうじゅんじ)

著者紹介

(株)日産クリエイティブサービス 陸別(りくべつ)Proving Ground・車両管理課 レキュー隊

日産自動車北海道陸別試験場の安全確保と万一の事故に備える自衛レスキュー隊として2006年7月に結成。地元消防署や外部講師の協力を仰ぎつつ、現在6名体制で訓練に励んでいる。



Car rescue for beginners
初学者のための車両救助法

(株)日産クリエイティブサービス 陸別(りくべつ)Proving Ground・車両管理課 レキュー隊

第2回
安全管理

1.初めに

第2回目は「安全管理」を取り上げます。
要救助者を救うためには、まず自身の安全を確保しなければなりません。次に資機材を揃え、現場の安全を確保します。これらすべての安全が確保されることで要救助者の安全も確保できます。

2.個人の安全確保

1)服装・装備

写真1
動きやすく危険物から身を守る装備が必要です。

写真2
救助服
ヘルメット
ヘットライト&ゴーグル
手袋(グローブ:ケブラー製)
靴(安全靴)
無線機
救助隊長には拡声器を配備します

2)感染防御

要救助者と濃厚に接触する可能性のある救助隊員と全ての救急隊員は感染防御が必要です。
感染防御とはウィルスや細菌などの病原体が体内へ侵入すことを防ぐことです。体液・血液には病原菌が含まれる可能性があります。感染を予防するために感染防御具(ゴーグル・手袋・マスク・ガウン)を装着します。
救急車内部や救急資器材は要救助者搬送後に消毒が必要です。

写真3
感染防御具
傷病者に触れて体温などを確かめるので、ケプラー製グローブは用いず使い捨てのゴム手袋を装着します。もしくはグローブの下にゴム手袋を装着して、いつでもゴム手袋で要救助者に触れられるようにします。

写真4
ゴーグルとマスク

ゴーグル
車両事故では、血液・体液が目に入る恐れがあるため、常に装着します。
マスク
傷病者の体液・血液・嘔吐物などの分泌物が口腔内へ入るのを防ぎます。

写真5
手袋とガウン

手袋
感染を防ぐとともに危険物から手を守ります。
ガウン
救助服は水を通します。ガウンには防水性があります。ガウンを介し血液が救助服に滲みたときは適切な消毒薬を用いて消毒します。

写真6
手洗い
出場前と帰署後には石鹸と流水でしっかりと手を洗います。

写真7
車内清掃
活動後に車内を清掃し、アルコール消毒を行ない車内環境を清潔に保ちます。

写真8
器具の消毒
傷病者の処置に使用した器具は、活動後にアルコール消毒を行ないます。ディスポーザブルの器具については廃却処分します。



2.資器材による安全確保

緊急車両と積載している資器材で安全を確保します。
当救助隊では、緊急車両4台(隊長車・救助工作車・救急車・消防車)があり、緊急事態が発生した場合には、各車両を隊員1名もしくは2名乗車し、4台の緊急車両が事故現場まで急行します。現場到着後、隊長が現場状況を把握している間に、各隊員がそれぞれの担当車両の資器材を準備します。

写真9
フォグテック消火装置付き消防車
当施設の消防車は、通常公設に配備されている消防車とは違い、基本的に「対車両火災」に適応した仕様となっています。主な構成として「700Pの水タンク」「フォグテックポンプ」「ポンプ操作制御盤」「専用高圧ホース」「フォグガン」であり、その全てが消防車に搭載されています。

写真10
フォグテック消火装置
ポンプ動力は消防車のエンジンから供給され、約14Mpaの圧力を発生させ水を圧送します。フォグガンは軽量かつ特殊な構造になっており、放水時の反動が少ない器材です。「放水切替レバー」で放水パターンを「前方集中放水」から「周囲霧放水」など、5段階に切替えることができます。また、泡消火薬剤を混合できるため、通常の水放水からきめの細かい泡放水までが可能となります。

写真11
消防車のスタンバイ
火災がない場合でも、万が一の出火に備えて直ちに消火できる体制をとります。フォグテックのホースを展張し、事故車両付近の風上の位置に配置します。その後、通電解除に使用する弁慶を準備しスタンバイします。

写真12
救助工作車
隊長の指示で車両工作が必要な場合には、直ちに事故車両の状態を確認し、固定が必要であれば実施します。主要資器材のスプレッダとカッターを展開し、合図が出ればいつでも破壊開始が可能な状態でスタンバイします。

写真13
救急車
ストレッチャー上にバックボード・固定用資機材・救急処置バッグ・携帯用酸素ボンベなど、必要な資機材を用意し事故車の直近までストレッチャーを搬送します。

3.現場の安全確保

写真14
活動スペースの確保
実際の事故現場に到着してみなければどのような現状かは詳しく分かりません。これから始まる現場活動の妨げにならないように、できるだけ路肩にハザードを付け停車し活動スペースを確保する必要があります。

写真15
二次災害の防止
負傷事故防止や活動の妨げになる物を排除し、活動がスムーズに行なうことができるように二次災害防止を怠ってはなりません。安全を確保できなければ、救助活動は行なえません。活動中に発生した危険に対してもその都度処置を行なうことが重要です。

写真16
活動方針の伝達
二次災害防止を行ない隊員の安全が確保できたなら救助活動の方針を伝達します。事故現場では同じ状況はないため、いかに安全迅速に救助ができる方法を模索し、器材の準備や救助方法について周知します。

次回は「車両破壊」です。


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12.6.3/10:14 PM