手技13:バックボードの基本

講師:松田幸司

紋別地区消防組合消防署興部支署


全国各地の消防署、また病院において今、急速にバックボードの配備が進められている。全脊柱固定器具としてのバックボード(以下ボード)の取扱方法を紹介する。

頭部を固定(中立位)している隊員が、鼻、顎、へそが一直線になっている事を確認。
ボードを傷病者の主受傷側に置く。隊員の位置は写真のとおり。
横に起こす際は手を深くいれて、頭部保持者(2番員)の合図で注意
深く行う。
この際、90度まで傷病者の体を起こす。
掛ける手が浅いとすべりやすく、しっかりと保持できない。
2番員は横にした際、耳、肩、腸骨稜が一直線になっていることを確認。
傷病者の体から離してよい手は、1番員の足側の手だけ。
ボードを差し込む際の角度は30度〜45度。経験上、ボードを水平に置いたまま行うよりも乗せやすい。
2番員の合図で傷病者を長軸方向へ移動させ、ボードの中央に移す。
手だけで動かそうとしている。これでは、重い傷病者を動かす事は困難。
長軸方向への移動時には、
ボードを足で踏み、ボードがずれるのを防ぐ。
最低3本以上のベルトで傷病者を固定する。
脇のベルトの位置(できるだけ上。下にしてしまうと呼吸が苦しい。)
腰のベルトの位置(骨盤にかかるようにする。)
膝のベルトの位置(できれば膝頭は避ける。きつく締めると痛いから。)
ベルトの位置が合わない時は、上下の穴にベルトを通すことにより調整が可能である。
意識のない傷病者の場合は手を縛る。
ベルトを締めるときは、下のベルトを送りながら締めるときつく締める事ができる。
最後に頭部を固定する。ヘッドイモビライザーとストラップを使用。ストラップは額、顎の順で固定する。気道確保の際などに顎のストラップのみを外す事で対処できる。
完成図


現在、各地においてBTLS(Basic Trauma Life Support)やPTCJ(Prehospital Trauma Care Japan)と呼ばれる病院前外傷処置標準化プログラムの普及が積極的に推し進められている。バックボードはBTLSやPTCJにおいて、重要なアイテムの一つである。しかし、バックボードによる固定=BTLS・PTCJではない。これらBTLSやPTCJについては、下記に紹介する成書を精読され、実際にセミナー等に参加し、体得されることを強く勧める。

参考文献
畑中哲生・救急救命スタッフのためのBTLS・メディカ出版
プレホスピタル外傷研究会編・プレホスピタル外傷学・永井書店

参考ホームページ
BTLSジャパンHP
URL:http://www.ujitoku.or.jp/BTLS/index.html

PTCJプレホスピタル外傷研究会HP
URL:http://fish.miracle.ne.jp/hidaka


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